和田敦彦
(2011年8月5日刊行,新曜社,東京,362 pp.,本体価格4,300円, ISBN:9784788512504 → 版元ページ)
【目次】
凡例 9
序章 書物と場所の歴史学 11
1 なぜ書物がそこにあるのか 11
2 リテラシーの歴史とは 15
3 本書の構成 17
第I部 越境する書物
第1章 書物の場所と移動の歴史 書物の日米関係から 22
1 越境する書物の背景 22
2 読者は作られる―米海軍日本語学校 25
3 戦時期の日本語教育と教科書 29
4 戦争と書物接収―ワシントン文書センター 33
5 書物返還の政治学 36
6 米議会図書館における接収図書 41
7 日本占領下での図書収集 45
8 書物と場所の政治学 50
第2章 書物の戦争・書物の戦後 流れとしての占領期接収文献 53
1 書物の戦場 53
2 ふたつの検閲 55
3 占領期各大学の資料収集 58
4 輻輳する接収ルート 62
5 プランゲ・コレクションの入手 65
6 膨大な文献を前に 69
7 接収文献のその後―占領期刊行物 73
8 接収資料のその後―戦前検閲図書 78
9 接収資料のその後―陸海軍関係資料など 83
10 流れとしての接収文献 87
第3章 今そこにある書物 書籍デジタル化をめぐる新たな闘争 91
1 これは書物ではない 91
2 明治期刊行図書のマイクロ化 95
3 複製という商品 98
4 誰が写していたのか 101
5 書物の変容 104
6 データベース・リテラシー 108
7 古典籍総合データベース 112
8 本にたどりつく仕組み 118
9 グーグルブックス図書館プロジェクト 120
10 知の占有と公共性 124
11 何をデジタル化するべきか 129
12 学術の生命線とフィジカル・アンカー 134
第II部 書物と読者をつなぐもの
第4章 一九三三年、米国日本語図書館を巡る 高木八尺の調査から 142
1 読書を知るために 142
2 太平洋問題調査会と高木八尺 146
3 日本学をめぐる状況と太平洋問題調査会 150
4 全米調査の実際 155
5 非政治という政治 160
第5章 人と書物のネットワーク 角田柳作と書物の交流史 166
1 見えない仲介者 166
2 角田柳作との出会い 169
3 ニューヨークに至るまで 172
4 書物を介したネットワーク 175
5 文化宣揚と文化交流の間で 182
6 誘惑する仲介者 185
第6章 越境する文化を支えるもの 国際交流基金と国際文化会館 191
1 書物の交流を支えるもの 191
2 芥川龍之介「舞踏会」の変容 195
3 国際文化振興会とその記録 199
4 南方政策とインドシナ 203
5 植民地の「舞踏会」 207
6 国際文化交流機関の戦後 210
7 民間という名の政治 214
8 海外の日本語図書館に対して 218
9 文化交流と文化宣揚 223
第7章 日本の書物と情報の輸出入 チャールズ・E・タトル出版の半世紀 227
1 書籍商の血統 227
2 タトルと日本 232
3 行き交う書物と翻訳権 239
4 日本を販売する 244
5 『銀の鈴』広島の奇跡 250
6 日本からアジアへ 258
第8章 北米の日本語蔵書史とその史料 書物の受難 264
1 蔵書史の個と全体 264
2 オハイオ州立大学の日本語蔵書史 266
3 オハイオ・ネットワーク 272
4 ブリティッシュ・コロンビア大学の日本語蔵書 276
5 日系移民資料が残る必然と偶然 282
6 アジア研究の受難とカナダの日本語図書館 288
終章 リテラシー史から見えるもの 294
1 彼方の読書 294
2 読書の資料と研究の倫理 297
3 リテラシー史と文学研究・教育 302
あとがき 305
訳語・略号一覧 [310-309]
情報提供・調査協力者一覧 [311]
註 [350-312]
事項索引 [357-351]
人名索引 [362-358]