『限界集落の真実:過疎の村は消えるか?』

山下祐介

(2012年1月10日刊行,筑摩書房ちくま新書・941],東京,285 pp., 本体価格880円, ISBN:9784480066480版元ページ

【目次】
序 むらは消えるか —— 東日本大震災を経て 9

第1章 つくられた限界集落問題 19

 1. 報道のイメージ,現場の困惑 19
 2. 限界集落論とは何か —— 出発からの疑問点 23
 3. 二〇〇七年 —— 問題がつくられたとき 33
 4. 過疎地域をめぐる本当の問題とは 38

第2章 全国の過疎地域を歩く 41

 1. 鹿児島県南大隅町・旧佐多町 —— 本土最南端の町 42
 2. 新潟県上越市・旧大島村 —— 消えた村の実態 51
 3. 京都府綾部市 —— 水源の里の取り組み 58
 4. 島根県邑南町 —— 過疎問題の先進地で 64
 5. 秋田県藤里町 —— 急速に進んだ高齢化 69
 6. 高知県仁淀川町 —— 天界の里 85
 7. 高知県大豊町 —— 限界集落発祥の地 90
 8. 限界集落論・二〇年後の真実 99

第3章 世代間の地域住み分け —— 効率性か、安定性か 103

 1. 世代から見る過疎地域 104
 2. 人口変動パターンと過疎 111
 3. 超高齢地域のタイプ 121
 4. 効率性の悪い地域は消えてもらった方がいいのか 133

第4章 集落発の取り組み 143

 1. 集落再生プログラムに向けて 144
 2. 住民参加型バスの先駆性 148
 3. 鰺ヶ沢町の過疎問題 154
 4. 深谷地区活性化委員会 162
 5. 取り組みから導き出されたこと 175

第5章 変動する社会、適応する家族 181

 1. 通う長男たち 182
 2. 生活安定機構としてのむら 188
 3. 近代への人口転換と戦後日本の社会変動 196
 4. 広域に広がる家族 208
 5. 限界集落をめぐる世代と地域 215

第6章 集落再生プログラム 221

 1. 下北半島 —— 過疎と原発の間で 222
 2. 発想の転換を —— 経済・雇用から「暮らし」の問題へ 234
 3. 集落の主体性を引き出す —— 集落点検という手法 241
 4. 集落支援のための体制づくり —— 周りの地域を巻き込む 248
 5. 中央と地方 —— 周辺発の日本社会論 265


あとがき 280
参考文献 284
本書のもとになった研究 284
謝辞 285