『遠読:〈世界文学システム〉への挑戦』

フランコモレッティ[秋草俊一郎・今井亮一・落合一樹・高橋知之訳]

(2016年6月10日刊行,みすず書房,東京, 339+xi pp., 本体価格4,600円, ISBN:978-4-622-07972-9版元ページ

モレッティって文学史と文学地理研究に「系統樹思考」を持ちこんだ人.たとえば:Franco Moretti『Graphs, Maps, Trees: Abstract Models for a Literary History』(2005年5月刊行,Verso, London,viii+119 pp.,ISBN:1-84467-026-0 [hbk] / ISBN:978-1-84467-185-4 [pbk] → 目次版元ページ)とか.フランコモレッティの多くの著書はほとんど日本語に翻訳されていないようなので,この新刊は即注文した.

しかも,グッドタイミングな書評記事が今朝の朝刊に:朝日新聞デジタル円城塔 ―(書評)『遠読 〈世界文学システム〉への挑戦』 フランコ・モレッティ〈著〉」(2016年7月10日).参考:高橋文樹.com | 読書日記「遠読とは読むに値しない本達への眼差し」(2016年7月5日)※文学様式の時空的変遷は「文化進化論」の一つのテーマであるとモレッティは考えているみたい.

[追記]現物がさっそく着便したのだが,文芸批評の本にダーウィン,異所的種分化,系統樹が.すばらしい.

【目次】
近代ヨーロッパ文学――その地理的素描 5
世界文学への試論 65
文学の屠場 91
プラネット・ハリウッド 129
さらなる試論 149
進化、世界システム、世界文学【ヴェルトリテラトゥーア】 167
始まりの終わり――クリストファー・プレンダーガストへの応答 187
小説――歴史と理論 221
スタイル株式会社――七千タイトルの省察(1740年から1850年のイギリス小説) 247
ネットワーク理論、プロット分析 287


訳者あとがき[秋草俊一郎] 324
索引 [i-xi]