隠岐さや香
(2018年8月24日刊行,星海社[星海社新書・137],東京, 253 pp., 本体価格980円, ISBN:9784065123843 → 版元ページ)
参考:Togetter -「文系と理系はなぜ分かれたのか」.
【目次】
はじめに 3
第1章 文系と理系はいつどのように分かれたか?—— 欧米諸国の場合 15
中世の大学と学問観 16
「理系」の黎明期とアカデミーの誕生、そして衰退(一七〜一八世紀末) 22
「文系」成立前夜 —— 人文社会科学の黎明期(一六世紀末〜一九世紀前半) 35
近代大学の成立と自然科学・人文社会科学の制度化(一九世紀以降) 51
「二つの文化」はあるのか? 71第2章 日本の近代化と文系・理系 79
東アジアにおける学問体系 —— 「道」と「学」・「術」 80
「蘭学」の経験と江戸時代日本 84
「窮理」としての科学・技術 89
「道」としての西洋 94
「文」と「理」観の形成 —— 学問制度と官僚制度 97
戦争の足音と苦悩する人文社会科学 102
「科学技術立国」のままでよいのか 107第3章 産業界と文系・理系 115
文理選択と新卒学生の就活 116
文系学部の大学教育は就活で評価されない? 118
理系の「専門性」はどこまで企業で重視されるか? 121
理工系博士と企業とのミスマッチ 123
欧米企業と博士号取得者 126
アカデミック・キャピタリズムと「文系不要」論争 129
「儲かる理工系」思想の源泉 —— イノベーション政策1.0 134
「儲かる理工系」の実現化 —— イノベーション政策2.0 137
理工系博士の活躍できる国,できない国 142
高学歴競争の過熱と不平等の拡大 —— イノベーション政策2.0の負の遺産 145
イノベーション政策3.0と人文社会科学系 —— SDGsとSTEAM 149第4章 ジェンダーと文系・理系 155
日本は進路選択の男女差が大きい国である 156
分野適性と性差、困難な問い 159
知能テストや学力テストからみえてくること —— 数学と科学の場合 162
「生まれつきの才能」イメージの危険性 167
認知機能の性差とホルモン・脳・環境 171
男性はどのように理工系に引き寄せられ,女性はどのようにそこから遠ざかるのか —— ジェンダー役割とステレオタイプ 176
ジェンダーステレオタイプ(思い込み)と研究職の世界での差別 180
ジェンダー格差はなぜ問題視されるのか 182
男性と言語リテラシー問題? 187第5章 研究の「学際化」と文系・理系 195
文系・理系の区別は消えていくのか? 196
学際化と教育 —— 文系・理系を区別した教育は古い? 197
「リベラルアーツ教育」と教養への回帰 201
研究の世界では何が起きているか —— 学際化と分類概念の動揺 204
「学際化」と学問「統一」の欲望 207
諸分野はどのように異なっているか —— 方法と分類 211
社会科学の自然主義化 —— 試みと論争 221
学際的分野と不確実性、政治性 226
複数の文化アプローチ —— 集合知としての学問 234
変容する科学とその行方 237おわりに 246