『マルジナリアでつかまえて:書かずば読めぬの巻』

山本貴光
(2020年7月31日刊行,本の雑誌社,東京, 309 + viii pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-86011-445-9版元ページ

あー,こんな本出しちゃダメですよ.日々の┣┣” 撃ちに差し障りありまくり.ひょっとして続刊も出るわけですね.“タイプ” としての本ではなく, “トークン” としての本は,読まれる過程でさまざまなパーソナライズ(マージナリア,メモ書き,付箋などなど)を経験するので,本書のような “読み解き” がおもしろくなるのだろう.本書を手にすると,以前読んだ:古沢和宏『痕跡本のすすめ』(2012年2月17日刊行,太田出版,東京,160 pp., 本体価格1,300円,ISBN:978-4-7783-1297-8書評版元ページ古書五つ葉文庫)を思い出す.私蔵本に残された “痕跡” の数々は手に取る者の想像をかきたてる.