『エビデンスの社会学:証言の消滅と真理の現在』目次

松村一志
(2021年11月30日刊行,青土社,東京, 357+36 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-7917-7432-6版元ページ

エビデンス” をめぐる科学と法学の論議と言われれば気になるにちがいない本.統計学史に関心のある読者はまたいで通ってはいけない本.


【目次】
はじめに 9

序章 「言語論的転回」以後 25

 
 1 実証主義相対主義 25
 2 「社会構成主義」のリミット 31
 3 科学史社会学のあいだ 39
 4 真理の社会学 44
 5 本書の構成 56

第 I 部 理論篇

第1章 社会構成主義とその射程 63

 
 1 社会構成主義をどう評価するか? 64
 2 科学的実在論反実在論の対立点 68
 3 社会学者の遂行的矛盾 74
 4 「反-反実在論」という立場 83
 5 否定と肯定のあいだ 90
 6 〈構築主義〉の現在 93

第2章 システムとしての科学 95

 
 1 ルーマンの科学論 96
 2 反-反実在論としてのシステム理論 101
 3 科学と非科学の線引き 110
 4 「線引き問題」のシステム論的解決 117
 5 「機能分化」という神話 123

第3章 真理のゲーム 133

 
 1 言説分析の発見 134
 2 反-反実在論としての真理論 147
 3 科学と社交 152
 4 近代という問題 161

 

中間考察 真理の科学化 167

 1 「機能分化」の問題点 168
 2 真理の科学化 169
 3 科学と法廷の系譜学 172

第Ⅱ部 歴史篇

第4章 証言と命題のあいだ 177

 1 近代科学の二つの顔 178
 2 一七世紀の地平線 182
 3 新しい「社会構成主義」 190
 4 裁判のレトリック 200
 5 二〇世紀の科学へ 206

第5章 実験報告の書法 219

 
 1 科学と非科学の境界線 220
 2 対象とその前史 223
 3 一九世紀の「線引き問題」 230
 4 証言の心理学 237
 5 奇跡の統計学 245
 6 「裁判のレトリック」の解体 255

第6章 測定の考古学 263

 1 人間の証言と事物の証拠 264
 2 二つの「科学革命」 268
 3 〈測定〉とは何か? 274
 4 機械仕掛けの人間 284
 5 「裁判のレトリック」はなぜ消えたのか? 302

終章 「エビデンス」の時代 307

 1 「証言のゲーム」から「命題のゲーム」へ 308
 2 二次的な「証言のゲーム」 314
 3 「エビデンス」の誕生 317
 4 二一世紀の〈証拠〉 323

 

注 327
あとがき 353 
参考文献 [009-036]
索引 [001-008]