2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『Geometric Morphometrics for Biologists: A Primer』

M. L. Zelditch, D. L. Swiderski, H. D. Sheets, and W. L. Fink (2004年,Elsevier Academic Press,ISBN:0127784608) 数学者や統計学者のためではなく,生物学者のための幾何学的形態測定学の〈教科書〉と呼べる本がやっと出た.「mathematically naïve…

『Genes, Development, and Cancer: The Life and Work of Edward B. Lewis』H.D. Lipshitz

(2004年1月31日刊行,Kluwer Academic,ISBN:140207591X) ショウジョウバエの〈bithorax〉変異体の発見者 Edward B. Lewis の伝記.雑誌掲載の伝記記事としては下記のものあり:J.F. Crow & W. Bender「Edward B. Lewis, 1918-2004」Genetics, 168(4): 177…

『トウガラシの文化誌』

アマール・ナージ[林真理・奥田祐子・山本紀夫訳] (1997年12月30日刊行,晶文社, 東京, 311+ x pp., 本体価格2,800円, ISBN:4794963319) 【書評】 ※Copyright 2005 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 寒中にとてもホットなペパー本を読む.南米原…

『NHK日本語なるほど塾2005年3月号』山下好孝

(2005年2月18日刊行,NHK出版) アノ山下せんせ,再登場.今号は〈うちかて20分でマスターできるわぁ 基礎関西語〉.名著・山下好孝『関西弁講義』(2004年2月10日刊行,講談社選書メチエ292,ISBN:4062582929)にとことんしびれた読者はもう買うしかないや…

『ブーレーズ書簡集:シェフネールとともに近現代の作品を語る』ピエール・ブーレーズ,A. シェフネール

(2005年3月刊行予定,音楽之友社,ISBN:4276203732) ブーレーズ作曲の音楽ってときどきふと聴きたいときがある.〈ル・マルトー・サン・メートル[打ち手のない槌]〉の総譜だけはもっているけど.

『生命の臨界:争点としての生命』松原洋子・小泉義之(編)

(2005年3月刊行予定,人文書院,ISBN:4409040723) えっとねー,ぼくは基本的に“生命論”系の論議はいっさい信じていません.そんなん,どーでもええやん.

『岳書縦走』雁部貞夫

(2005年3月刊行予定,ナカニシヤ出版,ISBN:4888489459) 内外の「山岳書」130篇の書評集とのこと.それにしても「5,775円」という価格はなんとかなりません?

書評の「掟」?

いつも近刊情報源として重宝している『これから出る本』の最新号(2005−No.4[3月上期号])に〈書評の「掟」〉というエッセイが載っている(p.8).著者は田中弘という会計学の研究者.書評にも「掟」があるのだと彼は言う:1)決して貶さない;2)自分…

『Rivers of Life, or Sources and Streams of the Faiths of Man in All Lands; Showing the Evolution of Faiths from the Rudest Symbolisms to the Latest Spiritual Developments. Two volumes』

J. G. R. Forlong (Two volumes,1883年,Bernard Quaritch, London) 比較宗教学の古典.「Privately printed for subscribers only」とのことなので,一般に売られた本ではなく,事前予約者にのみ頒布するというかたちでの限定的な出版物だったのだろう.…

『日本の博覧会:寺下勍コレクション』寺下勍・橋爪紳也

(2005年1月刊行,平凡社,別冊太陽[日本のこころ133],ISBN:4582921337) 監修は博覧会に詳しい橋爪紳也さん.

『観覧車物語:110年の歴史をめぐる』福井優子

(2005年1月17日刊行,平凡社,ISBN:4582832512) 【書評(まとめ)】 ※Copyright 2005 by MINAKA Nobuhiro. All rights reservedこの本には,観覧車への著者の思い入れが随所にあふれているという感じがする.歴史的写真がとても多く,読んでいてとても愉し…

『毛皮と人間の歴史』西村三郎

(2003年2月17日刊行,紀伊國屋書店,ISBN:4314009306) 【目次】プロローグ 1第1章 毛皮:人類最初の衣料 11 衣服の起源 11 衣料としての毛皮 13 呪術および狩猟の用具としての毛皮衣 16 毛皮そのままから調整した衣服へ 21第2章 最初に毛皮を着たのは誰…

『毛皮と皮革の文明史:世界フロンティアと掠奪のシステム』下山晃

(2005年1月20日刊行,ミネルヴァ書房,ISBN:4623041301) 下記に挙げる西村三郎の遺著『毛皮と人間の歴史』(2003年2月17日刊行,紀伊國屋書店,ISBN:4314009306)がまったく同じテーマを扱っていた.この本に関しては,資料の扱い方について,著者はやや批…

『パンダの死体はよみがえる』遠藤秀紀

(2005年2月10日刊行,ちくま新書520,ISBN:4480062203) 京大霊長研に移って間もないのにもう単行本が〜(おそるべし,遠藤さん).

『宮本常一 写真・日記集成』

(全2巻+別巻,2005年3月刊行予定,毎日新聞社,ISBN:462060609X) 食指はぴくぴく動くものの,定価6万円(税込)と聞くと・・・.

『ミイラはなぜ魅力的か:最前線の研究者たちが明かす人間の本質』ヘザー・プリングル

(2002年5月31日刊行,早川書房,ISBN:4152084197) 【書評】 ※Copyright 2002 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved◆ミイラに魅入られてしまった自分がコワイ...◆要するに【人間の死体】の本である.「死体」が好きな読者には,格好の読み物だろう.し…

『古代の朱』松田壽男

(2005年1月10日刊行,ちくま学芸文庫,ISBN:4480089004) 【書評】 ※Copyright 2005 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved地味〜なタイトルからはまったく想像できないほど,とてもおもしろくて刺激的な内容の本.もっとも頁数の多い「古代の朱」に加え…

『The R Tips:データ解析環境 R の基本技・グラフィックス活用集』舟尾暢男

(2005年3月刊行予定,九天社,ISBN:486167039X). 著者によるサポートページあり.詳細目次もpdfで公開されています.同じ出版社から昨年出たヒット作『The R Book:データ解析環境Rの活用事例集』(2004年6月1日刊行,九天社,ISBN:4901676970)と似た感…

『ナメクジウオ:頭索動物の生物学』安井金也・窪川かおる

(2005年1月31日刊行,東京大学出版会,ISBN:413066154X) 脊索はあっても骨のないアヤシイ生き物で,群れた生態写真なんぞこの上なくアヤシく見える.脊椎動物にとっての〈外群〉のひとつとしての役回りだけではなく,ちゃんと生きている生物としてのナメク…

【御礼】

今日は〈leeswijzer〉を開設してちょうど1ヶ月目です.多くの方に来ていただき,深く感謝しています.これからもよろしくお願いいたします.(みなか)

『The Naturalist in Nicaragua』Thomas Belt

(原著1874年|2004年8月1日電子版公開) John van Wyheの上記サイトを久しぶりに眺めていたら,Project Gutenberg へのリンクがいくつか張られていて,そのひとつに Thomas Belt『The Naturalist in Nicaragua』が昨夏に電子化公開されていたことを知る.「…

『蕎麦屋の系図』

岩崎信也 (2003年8月15日刊行,光文社新書111,ISBN:4334032117) 蕎麦が喰いたくなる本.第1章は蕎麦の文化史.第2章は,大阪にルーツをもつと推測される老舗〈砂場〉の系譜.各章ごとに「蕎麦屋の系統樹」が載っているのがよろし.第3章以降は,東京の…

〈The writings of Charles Darwin on the web〉John van Wyhe

チャールズ・ダーウィンの全著作(超有名な『種の起源』や『人間の進化と性淘汰』を含めて)を電子化してオンライン公開をしつつあるサイト.もうひとつ van Wyhe 氏はさらに大きな企画を進めているようだ:〈The Complete Work of Charles Darwin〉.全35巻…

『R. A. フィッシャーの統計理論:推測統計学の形成とその社会的背景』

芝村良 (2004年2月29日刊行,九州大学出版会,ISBN:4-87378-816-1) 【書評】※Copyright 2005 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 統計学史の本.日本でこう言う分野の単行本が出るのはたいへん珍しい.九大出版会はよく出してくれた(拍手).農業統…

『風景と記憶』サイモン・シャーマ

河出書房新社 東大出版会の『UP』(2005年2月号)に,高山宏さんが「サイモン・シャーマの歴史形態学」(pp. 36-37)というエッセイを寄稿している.サイモン・シャーマは『Rembrandt's Eyes』(1999,A. A. Knopf,ISBN:067940256X)という電話帳みたいな厚…

『シェークスピアは誰ですか?:計量文献学の世界』村上征勝

(2004年10月20日刊行,文春新書406,ISBN:4166604066) 2時間弱で読了.うーん,扱っているテーマはそれぞれおもしろいのだけれど,いかんせん1項目が短すぎて,欲求が不満しますね.また,ツールとして統計学について事前に知識がないと読んでもおもしろ…

名古屋大学出版会,えらいっ!

ある回答者は「名古屋大学出版会の編集者の眼力にも,心から敬意を表したい」(pp. 29-30)と記している.ぼくも確かにそう思う.名大出版会の本にハズレはない.

大野克嗣さん登場!

わ,大野克嗣さんも! S. J. Gouldの『The Structure of Evolutionary Theory』を出してる(p. 47)!(参ったー)

長澤純夫さん逝去

ウォレスやベイツなど19世紀に活躍した博物学者の書物を新思索社や築地書館から数多く翻訳してきた長澤純夫さんが昨年11月に亡くなっていたそうだ(p. 33).訳者紹介を見てご高齢であることは知っていたのだが.

『バレンボイム/サイード 音楽と社会』(2004年,みすず書房)

この本も何人かの回答者が挙げている.ダニエル・バレンボイムでしょ.関心ありますね.