『鵼の碑』読了

京極夏彦 (2023年9月14日刊行,講談社[講談社ノベルス・キF-21],東京, 830 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-06-515045-0 → 版元ページ)連日の寝読み本やっと読了。「名前も実体もなかった魔物が、そんな理由で鵼などと云う名で語られ、祀られた」(p.…

『The Values in Numbers: Reading Japanese Literature in a Global Information Age』目次

Hoyt Long (2021年6月刊行, Columbia University Press, New York, viii+368 pp., ISBN:978-0-231-19351-1 [pbk] → 版元ページ)訳書:ホイト・ロング[秋草俊一郎・今井亮一・坪野圭介訳]『数の値打ち:グローバル情報化時代に日本文学を読む』(2023年8…

『L'arbre des familles』買い直し

Christiane Klapisch-Zuber (2003年刊行,Éditions de La Martinière, Paris, 215 pp., ISBN:2-7324-2825-6 [hbk] → 目次|備忘メモ)フルカラー系図図鑑。本書は十数年前に買ったのだが、研究室撤収のどさくさで行方不明になってしまった。今回たまたまカ…

『数の値打ち:グローバル情報化時代に日本文学を読む』読了

ホイト・ロング[秋草俊一郎・今井亮一・坪野圭介訳] (2023年8月30日刊行,フィルムアート社,東京, 397+xvi pp., 本体価格4,000円, ISBN:978-4-8459-2130-0 → 目次|版元ページ)やっと読了。けっこうホネのあるデジタル・ヒューマニティ本。章末の註は読…

『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』反響(続58)

三中信宏 (2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行|2009年12月18日第3刷刊行|2010年5月10日第4刷刊行|2011年10月7日第5刷刊行|2013年6月28日電子本刊行|2015年4月14日第6刷刊行|2018年4月17日第7刷刊行|2021年8月31日第8刷刊行,講談社[現…

『Kingdoms, Empires, and Domains: The History of High-Level Biological Classification』近刊

Mark A. Ragan (2023年10月刊行予定, Oxford University Press, New York, 816 pp., ISBN:9780197643037 [hbk] → 版元ページ)近刊案内メールがクイーンズランドの知人から届いた。生物分類史の鈍器本(800ページ超)。ご高著の到着をお待ちしてまーす。

『ソバとシジミチョウ:人—自然—生物の多様なつながり』目次

宮下直 (2023年9月30日刊行、工作舎、東京, viii+244 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-87502-557-3 → 版元ページ)【目次】 カラー口絵 i-viii はじめに 8 第1章 人と自然の歴史 生物としての「ヒト」から社会を創る「人」へ 13 第2章 里山の多様な生物 …

『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』反響(続57)

三中信宏 (2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行|2009年12月18日第3刷刊行|2010年5月10日第4刷刊行|2011年10月7日第5刷刊行|2013年6月28日電子本刊行|2015年4月14日第6刷刊行|2018年4月17日第7刷刊行|2021年8月31日第8刷刊行,講談社[現…

『なぜ壁のシミが顔に見えるのか:パレイドリアとアニマシーの認知心理学』目次

高橋康介 (2023年9月15日刊行,共立出版[日本認知学会編〈越境する認知科学〉・10 ],東京, xii+251 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-320-09470-3 → 版元ページ)なぜ “パレイドリア” 本だと買いたくなるのか。【目次】 「越境する認知科学」刊行にあた…

『すばらしい医学:あなたの体の謎に迫る知的冒険』

山本健人 (2023年9月12日刊行,ダイヤモンド社,東京, 385 pp., 本体価格1,700円, ISBN:9784478118016 → 版元ページ)

『数の値打ち:グローバル情報化時代に日本文学を読む』目次

ホイト・ロング[秋草俊一郎・今井亮一・坪野圭介訳] (2023年8月30日刊行,フィルムアート社,東京, 397+xvi pp., 本体価格4,000円, ISBN:978-4-8459-2130-0 → 版元ページ)これは書評依頼本として。【目次】 日本語版への序文 7 序章 数の不確かさ 11 第1…

『創造論者 vs. 無神論者 宗教と科学の百年戦争』

岡本亮輔 (2023年9月7日刊行,講談社[講談社選書メチエ・790],東京, 267 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-06-533247-4 → 版元ページ)

『分類思考の世界:なぜヒトは万物を「種」に分けるのか』残響(90)

三中信宏 (2009年9月20日第1刷刊行/2009年10月8日第2刷刊行/2009年12月3日第3刷刊行/2013年7月26日電子本刊行/2015年5月8日第4刷刊行/2018年1月19日第5刷刊行/2021年11月8日第6刷刊行,講談社[現代新書2014],本体価格900円(税込価格990円),328 …

『近畿地方のある場所について』感想

背筋 (2023年8月30日刊行,KADOKAWA,東京, 334 + 袋綴じ取材資料[8 pp.],本体価格1,300円, ISBN:978-4-04-737584-0 → 版元ページ)ひさしぶりに “新耳袋” のような本を高速読了して満足している.さまざまな情報の “断片” をつなぎあわせてある物語の “…

『鵼の碑』

京極夏彦 (2023年9月14日刊行,講談社[講談社ノベルス・キF-21],東京, 830 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-06-515045-0 → 版元ページ)800ページ超の鈍器本が夜の闇から現れた:「罔くとも在るが如し;在りても罔きが如し」.本書は,本シリーズの17…

『母性の科学:ママになると脳や性格がすごく変わるわけ』

アビゲイル・タッカー[西田美緒子訳] (2023年9月30日刊行,インターシフト,東京, 401 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-7726-9580-0 → 版元ページ)

『炎の中の図書館:110万冊を焼いた大火』読了

スーザン・オーリアン[羽田詩津子訳]『炎の中の図書館:110万冊を焼いた大火』(2019年11月25日刊行,早川書房,東京, 382 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-15-209894-8 → 版元ページ)四年前に出た本だが,ふと気になって読了.ロサンゼルス中央図書…

『「植物」をやめた植物たち』

末次健司 (2023年9月1日発行,福音館書店[月刊たくさんのふしぎ・2023年9月号],東京, 40;4 pp., 本体価格700円 → 版元ページ)

『「おふくろの味」幻想:誰が郷愁の味をつくったのか』感想

湯澤規子 (2023年1月30日刊行,光文社[光文社新書・1240], 東京, 277 pp., 本体価格940円, ISBN:978-4-334-04647-7 → 目次|版元ページ)「おふくろの味」の寿命は驚くほど短かった.この言葉の生誕は1957年で,21世紀初頭には死語も同然になったとか.著…

『「おふくろの味」幻想:誰が郷愁の味をつくったのか』目次

湯澤規子 (2023年1月30日刊行,光文社[光文社新書・1240], 東京, 277 pp., 本体価格940円, ISBN:978-4-334-04647-7 → 版元ページ)【目次】 プロローグ ―― 「味」から描かれる世界 13第1章 「おふくろ」をめぐる三つの謎 251. 「おふくろ」という言葉はど…

『セミコロン;かくも控えめであまりにもやっかいな句読点』目次

セシリア・ワトソン[萩澤大輝・倉林秀男訳] (2023年9月15日刊行,左右社,東京, 188 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-86528-383-9 → 版元ページ)「カンマの女王」のみならず「セミコロンの帝王」までおられたとはおどろ木ももの木さんしょの木. “約物…

『フェルナンド・ペソア伝:異名者たちの迷路』目次

澤田直 (2023年8月10日刊行,集英社,東京, 491 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-08-771823-2 → 版元ページ)500ページもある伝記.これは不穏だ. “ペソア” と聞けばまたいで通り過ぎるわけにはいかない.気がつけばすでに何冊も “ペソア本” が手元にあ…

『現代語訳 江戸府内絵本風俗往来』目次

菊池貴一郎[小林祥次郎訳] (2023年7月25日刊行,KADOKAWA[角川ソフィア文庫・I-170-1],東京, 621 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-04-400766-9 → 版元ページ)【目次】 序 3 凡例と編集方針 19上編 外の部序 24 緒言 26 凡例 29中編 内の部序 272 緒…

『現代語訳 江戸府内絵本風俗往来』

菊池貴一郎[小林祥次郎訳] (2023年7月25日刊行,KADOKAWA[角川ソフィア文庫・I-170-1],東京, 621 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-04-400766-9 → 版元ページ)原本は明治時代も終盤にかかる1905年(明治38年)12月に東陽堂から刊行され,1965年9月に…

『Phylogenetic Ecology: A History, Critique, and Remodeling』目次

Nathan G. Swenson (2019年11月刊行, The University of Chicago Press, Chicago, x+216 pp., ISBN:978-0-226-67150-5 [pbk] → 版元ページ)あまりテツガク的な教科書ではなかった.RとかPythonなユーザー向け.【目次】 Preface ix 1. Introduction and a …

『夢見る帝国図書館』感想

中島京子 (2019年5月15日刊行,文藝春秋,東京, 404 pp., 本体価格1,850円, ISBN: 978-4-16-391020-8 → 版元ページ)読了.もともと小説は読まないワタクシは本書が新刊で出たときにうっかりまたいで通り過ぎてしまった.しかし,あらためて手に取ると “小…

『メタヒストリー:一九世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力』目次

ヘイドン・ホワイト[岩崎稔監訳] (2017年10月20日刊行,作品社,東京, 703 pp., 本体価格6,800円, ISBN:978-4-86182-298-8 → 版元ページ)【目次】 [日本語版序文]ようやく! そして,メタヒストリーを再考することの意味について 9 [四〇周年記念版へ…

『メタヒストリー:一九世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力』

ヘイドン・ホワイト[岩崎稔監訳] (2017年10月20日刊行,作品社,東京, 703 pp., 本体価格6,800円, ISBN:978-4-86182-298-8 → 版元ページ)何年も前から「Metahistoryの翻訳まだぁ〜?」と言い続けてきたにもかかわらず,700ページ超の翻訳本が出たのを買…

『イラク水滸伝』目次

高野秀行 (2023年7月30日刊行,文藝春秋,東京, 12 color plates + 477 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-16-391729-0 → 版元ページ)ティグリスとユーフラテスがつくる湿地帯(アフワール)はさぞやハマダラカ将軍とマラリア戦士たちの天国なんだろうなあ…

「日本の地理学は『銃・病原菌・鉄』をいかに語るのか―英語圏と日本における受容過程の比較検討から―」

二村太郎・荒又美陽・成瀬厚・杉山和明 日本の地理学は『銃・病原菌・鉄』をいかに語るのか―英語圏と日本における受容過程の比較検討から―. E-journal GEO, 7(2): 225-249, 2012. pdf [open access]地理学の観点からの批判と考察.この記事では『生物科学』…