塚本学
(2013年2月12日刊行,講談社[講談社学術文庫・2155],東京,312 pp., ISBN:9784062921558 → 版元ページ)
江戸時代の「生類憐み令」をめぐるさまざまな文脈を解きほぐす.「御犬様」として守られる前の “犬” は直前の時代まで幕府公認だった「御鷹狩」の鷹の “餌” に過ぎなかったという話.江戸時代には犬を喰う食文化の広がりが確かにあった.
【目次】
農具としての鉄砲 9
1. 綱吉の鉄砲改め 9
2. 村への鉄砲普及 28
3. 生類憐み政策のもとで 41
4. 村の鉄砲その後 66御鷹と百姓 83
1. 鷹か鉄砲か 83
2. 綱吉の鷹政策 98
3. 鷹狩復興の条件 117御犬様始末 137
1. 食犬習俗と鷹の餌 137
2. 「封建的犬所有」 157
3. 犬小屋か野犬か 176捨子・捨牛馬 202
1. 捨馬禁令 202
2. 捨子の運命 213
3. 元禄という時代 226生類概念と鳥獣害 —— 人獣交渉史断章 245
参考文献 287
あとがき 293
学術文庫版あとがき 297
解説:分類と支配(成沢光) 305