2023-01-01から1年間の記事一覧

『分類思考の世界:なぜヒトは万物を「種」に分けるのか』残響(90)

三中信宏 (2009年9月20日第1刷刊行/2009年10月8日第2刷刊行/2009年12月3日第3刷刊行/2013年7月26日電子本刊行/2015年5月8日第4刷刊行/2018年1月19日第5刷刊行/2021年11月8日第6刷刊行,講談社[現代新書2014],本体価格900円(税込価格990円),328 …

『近畿地方のある場所について』感想

背筋 (2023年8月30日刊行,KADOKAWA,東京, 334 + 袋綴じ取材資料[8 pp.],本体価格1,300円, ISBN:978-4-04-737584-0 → 版元ページ)ひさしぶりに “新耳袋” のような本を高速読了して満足している.さまざまな情報の “断片” をつなぎあわせてある物語の “…

『鵼の碑』

京極夏彦 (2023年9月14日刊行,講談社[講談社ノベルス・キF-21],東京, 830 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-06-515045-0 → 版元ページ)800ページ超の鈍器本が夜の闇から現れた:「罔くとも在るが如し;在りても罔きが如し」.本書は,本シリーズの17…

『母性の科学:ママになると脳や性格がすごく変わるわけ』

アビゲイル・タッカー[西田美緒子訳] (2023年9月30日刊行,インターシフト,東京, 401 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-7726-9580-0 → 版元ページ)

『炎の中の図書館:110万冊を焼いた大火』読了

スーザン・オーリアン[羽田詩津子訳]『炎の中の図書館:110万冊を焼いた大火』(2019年11月25日刊行,早川書房,東京, 382 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-15-209894-8 → 版元ページ)四年前に出た本だが,ふと気になって読了.ロサンゼルス中央図書…

『「植物」をやめた植物たち』

末次健司 (2023年9月1日発行,福音館書店[月刊たくさんのふしぎ・2023年9月号],東京, 40;4 pp., 本体価格700円 → 版元ページ)

『「おふくろの味」幻想:誰が郷愁の味をつくったのか』感想

湯澤規子 (2023年1月30日刊行,光文社[光文社新書・1240], 東京, 277 pp., 本体価格940円, ISBN:978-4-334-04647-7 → 目次|版元ページ)「おふくろの味」の寿命は驚くほど短かった.この言葉の生誕は1957年で,21世紀初頭には死語も同然になったとか.著…

『「おふくろの味」幻想:誰が郷愁の味をつくったのか』目次

湯澤規子 (2023年1月30日刊行,光文社[光文社新書・1240], 東京, 277 pp., 本体価格940円, ISBN:978-4-334-04647-7 → 版元ページ)【目次】 プロローグ ―― 「味」から描かれる世界 13第1章 「おふくろ」をめぐる三つの謎 251. 「おふくろ」という言葉はど…

『セミコロン;かくも控えめであまりにもやっかいな句読点』目次

セシリア・ワトソン[萩澤大輝・倉林秀男訳] (2023年9月15日刊行,左右社,東京, 188 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-86528-383-9 → 版元ページ)「カンマの女王」のみならず「セミコロンの帝王」までおられたとはおどろ木ももの木さんしょの木. “約物…

『フェルナンド・ペソア伝:異名者たちの迷路』目次

澤田直 (2023年8月10日刊行,集英社,東京, 491 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-08-771823-2 → 版元ページ)500ページもある伝記.これは不穏だ. “ペソア” と聞けばまたいで通り過ぎるわけにはいかない.気がつけばすでに何冊も “ペソア本” が手元にあ…

『現代語訳 江戸府内絵本風俗往来』目次

菊池貴一郎[小林祥次郎訳] (2023年7月25日刊行,KADOKAWA[角川ソフィア文庫・I-170-1],東京, 621 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-04-400766-9 → 版元ページ)【目次】 序 3 凡例と編集方針 19上編 外の部序 24 緒言 26 凡例 29中編 内の部序 272 緒…

『現代語訳 江戸府内絵本風俗往来』

菊池貴一郎[小林祥次郎訳] (2023年7月25日刊行,KADOKAWA[角川ソフィア文庫・I-170-1],東京, 621 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-04-400766-9 → 版元ページ)原本は明治時代も終盤にかかる1905年(明治38年)12月に東陽堂から刊行され,1965年9月に…

『Phylogenetic Ecology: A History, Critique, and Remodeling』目次

Nathan G. Swenson (2019年11月刊行, The University of Chicago Press, Chicago, x+216 pp., ISBN:978-0-226-67150-5 [pbk] → 版元ページ)あまりテツガク的な教科書ではなかった.RとかPythonなユーザー向け.【目次】 Preface ix 1. Introduction and a …

『夢見る帝国図書館』感想

中島京子 (2019年5月15日刊行,文藝春秋,東京, 404 pp., 本体価格1,850円, ISBN: 978-4-16-391020-8 → 版元ページ)読了.もともと小説は読まないワタクシは本書が新刊で出たときにうっかりまたいで通り過ぎてしまった.しかし,あらためて手に取ると “小…

『メタヒストリー:一九世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力』目次

ヘイドン・ホワイト[岩崎稔監訳] (2017年10月20日刊行,作品社,東京, 703 pp., 本体価格6,800円, ISBN:978-4-86182-298-8 → 版元ページ)【目次】 [日本語版序文]ようやく! そして,メタヒストリーを再考することの意味について 9 [四〇周年記念版へ…

『メタヒストリー:一九世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力』

ヘイドン・ホワイト[岩崎稔監訳] (2017年10月20日刊行,作品社,東京, 703 pp., 本体価格6,800円, ISBN:978-4-86182-298-8 → 版元ページ)何年も前から「Metahistoryの翻訳まだぁ〜?」と言い続けてきたにもかかわらず,700ページ超の翻訳本が出たのを買…

『イラク水滸伝』目次

高野秀行 (2023年7月30日刊行,文藝春秋,東京, 12 color plates + 477 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-16-391729-0 → 版元ページ)ティグリスとユーフラテスがつくる湿地帯(アフワール)はさぞやハマダラカ将軍とマラリア戦士たちの天国なんだろうなあ…

「日本の地理学は『銃・病原菌・鉄』をいかに語るのか―英語圏と日本における受容過程の比較検討から―」

二村太郎・荒又美陽・成瀬厚・杉山和明 日本の地理学は『銃・病原菌・鉄』をいかに語るのか―英語圏と日本における受容過程の比較検討から―. E-journal GEO, 7(2): 225-249, 2012. pdf [open access]地理学の観点からの批判と考察.この記事では『生物科学』…

『CRISPRってなんだろう?:14歳からわかる遺伝子編集の倫理』

Yolanda Ridge(著)・Alex Boersma(画)[坪子理美訳] (2023年8月20日刊行,化学同人,京都, vi+129 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-7598-2344-8 → 版元ページ)

『ナゾとき「進化論」:クイズで読みとく生物のふしぎ』

ゆるふわ生物学(著)・三上智之(編) (2023年7月21日刊行,KADOKAWA,東京, 199 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-04-606023-5 → 版元ページ)ゲラを事前に読ませていただいた関係でご恵贈ありがとうございます.

『帝国図書館:近代日本の「知」の物語』読了

長尾宗典 (2023年4月25日刊行,中央公論新社[中公新書・2749],東京, xvi+283 pp., 本体価格920円, ISBN:978-4-12-102749-8 → 目次|版元ページ)読了.明治時代に成立した文部省書籍館をルーツとする帝国図書館の歴史をたどる本.ワタクシ的には第二次世…

『怪を訊く日々:怪談随筆集』

福澤徹三 (2023年6月10日刊行,筑摩書房[ちくま文庫・ふ-58-1],東京, 278 pp., 本体価格880円, ISBN:978-4-480-43883-6 → 版元ページ)

『ソース焼きそばの謎』目次

塩崎省吾 (2023年7月25日刊行,早川書房[ハヤカワ新書・006],東京, 302 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-15-340006-1 → 版元ページ)【目次】 地図[昭和15年頃の浅草周辺] 3 まえがき 4 プロローグ 昭和一一年の焼きそばマニュアル 10第1章 ソース焼…

『インフルエンザウイルスを発見した日本人』目次

山内一也 (2023年8月4日刊行,岩波書店[岩波科学ライブラリー・321],東京, vi+114+6 pp., 本体価格1,400円, ISBN:978-4-00-029721-9 → 版元ページ)【目次】 序章 インフルエンザウイルスの発見者T ・ヤマノウチとは誰か 1 1 インフルエンザ菌からイン…

『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』反響(続56)

三中信宏 (2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行|2009年12月18日第3刷刊行|2010年5月10日第4刷刊行|2011年10月7日第5刷刊行|2013年6月28日電子本刊行|2015年4月14日第6刷刊行|2018年4月17日第7刷刊行|2021年8月31日第8刷刊行,講談社[現…

『〈精神病〉の発明:クレペリンの光と闇』目次

渡辺哲夫 (2023年8月8日刊行,講談社[講談社選書メチエ・789],東京, 261 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-06-533024-1 → 版元ページ)【目次】 はじめに――なぜ、いま、クレペリンを問うのか 3 序 11 第1章 誕生と助走(一八五六―九一年) 19 第2章 …

『アルツハイマー病研究、失敗の構造』目次

カール・ヘラップ[梶山あゆみ訳] (2023年8月10日刊行,みすず書房,東京, x+322+16 pp., 本体価格3,200円, ISBN: 978-4-622-09629-0 → 版元ページ)【目次】 日本語版に寄せて iii プロローグ 1I 初めに何があったのか 3第1章 患者と家族、市民にとっての…

『胃袋の近代:食と人びとの日常史』感想

湯澤規子 (2018年6月30日刊行,名古屋大学出版会,名古屋, viii+325+18 pp., 本体価格3,600円, ISBN:978-4-8158-0916-4 → 目次|版元ページ)やっと読了. “大きな歴史” の流れに埋もれてしまいがちな “小さな歴史” の手がかりを一つ一つ掘り起こしながら,…

『古本屋は奇談蒐集家』感想

ユン・ソングン[清水博之訳] (2023年5月30日刊行,河出書房新社,東京, 300 pp., 本体価格2,400円, ISBN:978-4-309-20882-4 → 目次|版元ページ)韓国で古書店を営む著者が,古書探索の依頼者から訊き取ったエピソードを蒐めた本.読了してひとつひとつの…

『索引 〜の歴史:書物史を変えた大発明』目次

デニス・ダンカン[小野木明恵訳] (2023年8月30日刊行,光文社,東京, 429 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-334-10031-5 → 版元ページ)さっそくご恵贈いただきまことにありがとうございます.原書:Dennis Duncan『Index, A History of the: A Bookish …