『解読!アルキメデス写本:羊皮紙から甦った天才数学者』

リヴィエル・ネッツ,ウィリアム・ノエル著[吉田晋治監訳]

(2008年5月30日刊行,光文社,カラー口絵12pp. + 442 pp.,税込価格2,205円,ISBN:9784334962036版元ページ



唯一つだけ伝承されたアルキメデス写本Cの物語.“トークン”としてのこの書物がたどった歴史は唯一無二だ.羊皮紙の“パリンプセスト”といういかにも謎めくお話し.眼力(心眼)のある人たちがぞろぞろ登場する.古写本の専門家が奇数章を,ギリシャ数学の研究者が偶数章を書くという形式の共著だ.確かに推理小説的な色合いが強い.まだ第2章までしか読んでいないが,たいへんおもしろい.光文社は実にいい本を出してくれた.




【目次】
[カラー口絵]
はじめに 11
1. アメリカのアルキメデス 15
2. シラクサアルキメデス 49
3. 大レースに挑む:第一部 破壊から生き残れるか 101
4. 視覚の科学 129
5. 大レースに挑む:第二部 写本がたどった数奇な運命 167
6. 一九九九年に解読された『方法』 —— 科学の素材 195
7. プロジェクト最大の危機 221
8. 二〇〇一年に解読された『方法』 —— ベールを脱いだ無限 255
9. デジタル化されたパリンプセスト 285
10. 遊ぶアルキメデス —— 二〇〇三年の『ストマキオン』 325
11. 古きものに新しき光を 361
エピローグ「広大な宇宙の本」 391
謝辞 408
解説[斎藤憲] 412
監訳舎あとがき 428
参考図書 [436-431]
索引 [442-437]