2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『ページと力:手わざ,そしてデジタル・デザイン』

鈴木一誌 (2002年11月8日刊行,青土社,ISBN:479176000X) 第1章「文字」をほぼ読了.テキストをとりまく組版・デザイン・装幀などに対するこだわりがある著者だからこそこういう本が書けるのだろう.字体・書体・字形について,著者は次のように定義する(…

『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』反響(37)

三中信宏 (2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行,講談社[現代新書1849],ISBN:4061498495→詳細目次|第2刷での修正点|反響録) さらなる落ち穂拾いが続く冬日−−Memoの下書き[書評] http://d.hatena.ne.jp/fujisawamasashi/20070108#p1リス…

『輸入学問の功罪:この翻訳わかりますか?』

鈴木直 (2007年1月10日刊行,筑摩書房[ちくま新書637], ISBN: 978-4-480-06342-7|ISBN:4480063420) 【書評】※Copyright 2007 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 本書は,日本の思想書・哲学書の「翻訳文体」を手がかりにして,現在にいたるまで…

『神秘のカバラー』

D・フォーチュン (1985年10月30日刊行,国書刊行会[世界幻想文学大系40], ISBN:なし) 誰がどう弁護しようが,いわゆるひとつの“オカルト本”だよねえ.「西洋の秘教の伝統の修行者」(p. 13)だの,「物質界の征服を霊的向上の使命として」(p. 16)だの…

『さらば学校英語 実践翻訳の技術』

別宮貞徳 (2006年12月10日刊行,ちくま学芸文庫,ISBN:4480090282) かつて同じ著者が名著『誤訳迷訳欠陥翻訳』シリーズを出していた頃は(1980年代),まかりまちがってもベック先生の無情な鉄槌が振り下ろされないような“ちゃんとした翻訳”を世に出すこと…

『チャリング・クロス街84番地:書物を愛する人のための本』

ヘレーン・ハンフ(江藤淳訳) (1984年10月10日刊行,中公文庫,ISBN:4122011639) ぼくが最初にこの作品を目にしたのは,たしか『リーダーズ・ダイジェスト』の抄録?だった記憶がある.原書は1970年の出版だそうなので,ぼくが中学に入った頃のことだろう…

『Population Genetics and Microevolutionary Theory』

Alan R. Templeton (2006年9月刊行刊行,Wiley-Liss,ISBN:0471409510 [hbk]) 『集団遺伝学と小進化理論』.斯界の御大が満を持して電話帳をものしたということでしょうか.700ページ超.厚過ぎっ.→版元ページ|著者サイト.Amazonでは高すぎるので,Alib…

〈ISBN-10〉から〈ISBN-13〉へ

前にも記したように(→こちら),今年から ISBN 番号の制度が変わり,従来の10桁番号(ISBN-10)から新しい13桁番号(ISBN-13)になる.昨年出た洋書の中には両方の番号を併記するケースもあったが,今年の新刊からは,和書・洋書を問わず, 一挙にISBN-13に…

『知の分類史:常識としての博物学』

久我勝利 (2007年1月10日刊行,中央公論新社[中公新書ラクレ236], ISBN:4121502361) 【目次】 はじめに 3 序章:分類の歴史は人類の「知」の歴史である 15 第1章:博物学の豊穣 25 第2章:西洋の百科事典の歴史をひもとく 81 第3章:東洋の百科事典 137…

『知の分類史:常識としての博物学』

久我勝利 (2007年1月10日刊行,中央公論新社[中公新書ラクレ236], ISBN:4121502361) 【書評】※Copyright 2007 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 新書の形式をうまく利用して,古代から現代まで,東洋から西洋にいたる「分類思想」を見渡そうと…

『Laboratorio di statistica con R』

Stefano Iacus and Guido Masarotto (2003年刊行,McGraw Hill,ISBN:8838660840) イタリア語の〈R〉本を1冊.なお,著者サイトによると,近いうちに第2版が出るようだ.→版元ページ|〈R〉Projectページ. 【目次】 Prefazione 1) Conoscere R 2) Sintesi…

『Rによる医療統計学』

ピーター・ダルガード著(岡田昌史監訳) (2007年1月刊行予定,丸善出版事業部,ISBN:4621078119) 〈R〉定番教科書『ISwR』の翻訳近刊 —— 〈RjpWiki〉からの情報によると,〈R〉の定番教科書である『ISwR』こと,Peter Dalgaard『Introductory Statistics …

『書物について:その形而下学と形而上学』

清水徹 (2001年7月25日刊行,岩波書店,ISBN:4000233599) “もの”としての本の話.歩き読みの友として.シュレーゲル兄弟やノヴァーリスたちが集った17世紀末「イエナ・ロマン派」についての章(第2章「近代性と書物」の中の節:〈書物〉と文学的絶対)がお…

『須賀敦子全集・第4巻』

須賀敦子 (2007年1月20日刊行,河出書房新社[河出文庫す4-5], ISBN:4309420540) 内容は,「遠い朝の本たち/本に読まれて/書評・映画評ほか」.第1巻と第2巻はすでに出ているが,第3巻を飛ばして第4巻が先に出た.→版元ページ

〈開設2周年〉

一昨年(2005年)の今日,〈leeswijzer〉は開設された.この2年間,ただ1日の空白もなくコンテンツを積み重ねることができたことは幸いだった.画像も何もないテキストとリンクのみの「本のブログ」だが,これまでのべ24万アクセスを越える閲覧があったこと…

『化学の結婚[普及版]』

ヨーハン・V・アンドレーエ(種村季弘訳) (2002年12月31日刊行,紀伊国屋書店,ISBN:4314009314) 同じく,畸人堂書店にて.「付・薔薇十字基本文書」と記されている.どんどん深みに入っていくワタシ.

『神秘のカバラー』

D・フォーチュン (1985年10月30日刊行,国書刊行会[世界幻想文学大系40], ISBN:なし) 新宿百人町の畸人堂書店にて:〈セフィロトの樹〉の解読書として.

『書物の宇宙誌:澁澤龍彦蔵書目録  Cosmographia Libraria』

国書刊行会編集部(編) (2006年10月20日刊行,国書刊行会,ISBN:4336047510→目次) 第I部120ページあまりを日だまりのベランダで読み進む.この本は一見ただの「蔵書目録」に過ぎないのだが(確かにいくら目を凝らしても形式的には目録そのものだ),その…

『Biogeografia』

(→http://www.sebasite.org/biogeoEN.html) 生物地理学の新しいオンライン雑誌『Biogeografía』が創刊されました.下記サイトからその全論文が pdf で公開されています.: Biogeografía http://www.sebasite.org/biogeoEN.html本誌は,SEBA(=the System…

『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』反響(36)

三中信宏 (2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行,講談社[現代新書1849],ISBN:4061498495→詳細目次|第2刷での修正点|反響録) さて,新年の仕事もはじまり,日常生活に復帰しよう−− 作品メモランダム[書評] http://d.hatena.ne.jp/yakumoi…

『Haeckel-Korrespondenz : Übersicht über den Briefbestand des Ernst-Haeckel-Achivs』

Uwe Hoßfeld und Olaf Breidbach (Hrsg.) (2005年刊行,Verlag für Wissenschaft und Bildung[Ernst-Haeckel-Haus-Studien: Monographien zur Geschichte der Biowissenschaften und Medizin, Band 9], Berlin, XXII+810 pp., ISBN:3861354896 [pbk]) イ…

『インドカレー伝』

リジー・コリンガム(東郷えりか訳) (2006年12月30日刊行,河出書房新社,ISBN:4309224571) 【目次】 はじめに 8 第1章 チキン・ティッカ・マサラ 本場のインド料理を求めて 10 第2章 ビリヤーニー ムガル帝国の皇帝たち 24 第3章 ウィンダルー ポルトガ…

『世界の果てが砕け散る:サンフランシスコ大地震と地質学の大発展』

サイモン・ウィンチェスター(柴田裕之訳) (2006年12月15日刊行,早川書房,ISBN:4152087854) 【目次】 プロローグ 7 第1章 歴史記録その1 危険と背中合わせの一年 31 第2章 はかなげな都市 38 第3章 歴史記録その2 現代を目前にして 59 第4章 北アメリカ…

『Stammbäume der Technik : Einführung in die Systematik und Geschichte technischer Innovationen』

Curt Brandis (2005年8月14日刊行,MontAurum Verlag,ISBN:3937729097) たまに徘徊しているうちにこういう本にも出会える.産業技術(機械・電気・土木・電子 etc.)の「テクノロジー系統樹」の本.実物はまだ入手していないが,著者のサイトの〈テクノロ…

『神社の系譜:なぜそこにあるのか』

宮元健次 (2006年4月20日刊行,光文社[光文社新書251], ISBN:4334033512) この本は「神社の系譜」について書かれた本ではない気がする.むしろ,キーワードである「自然暦」,すなわち: このような夏至や冬至,春分・秋分に特定の場所から日の出没が起…

『神社のルーツ:血統から探る「神様ネットワーク」』

戸部民夫 (2006年12月26日刊行,ソフトバンク・クリエイティヴ[ソフトバンク新書026], ISBN:4797333626) 各「神社クレード」ごとに,特徴・発生・発展・祭神に関するクレードごとの共有[派生?]形質が記され,そのクレードに属する神社が列挙される.…

『Ernst Haeckel : Bildwelten der Natur』

Olaf Breidbach (2006年8月刊行,Prestel, München, 304 pp., ISBN:3791336630→目次) 年のはじめのヘッケル読み —— 『タイムズ世界地図』みたいな大判の本だが,正月三ヶ日用の本として持ち帰ってきた.昨年は序章だけ読んだのだが,続く部分には未発表の…

〈Stüber's Online Library〉

→http://www.biolib.de/ 正月のオンライン眼福本たち —— 新着公開図書から: Carl Gustav Calwer 『Käferbuch : Naturgeschichte der Käfer Europas』(1876年刊行,第4版).一面の甲虫たち. Jan Kops 『Flora Batava』(第7巻:1836年刊行).バタヴィア…

『Genea-Logik : Generation, Tradition und Evolution zwischen Kultur- und Naturwissenschaften』

Sigrid Weigel (2006年3月刊行,Wilhelm Fink Verlag, ISBN:3770541731) 初買い本 —— 元旦からオンライン書店を覗き回ってはいけないと思いつつも.版元の内容紹介を見るかぎり,ぼくの現代新書に近い“越境的”な内容が含まれていそうな気がする.出版時期…