『情報の科学と技術, vol. 62, no. 2, 2012年2月』

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キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展』(2014年,Bunkamura ザ・ミュージアム, 東京,159 pp. → 目次)のような博物館の展示図録は「灰色文献(gray literature)」なので,見つけたらその場でゲットするしかない.その「灰色文献」について,図書館情報学の雑誌に特集されていた.

この特集の冒頭で池田貴儀「問題提起 : 灰色文献定義の再考」は「灰色文献は,一般の商業出版ルートでは入手が困難な文献である」と定義し,ネットでの全文公開が進んでいる現在でもアクセシビリティの点で未解決と言う.また,この特集に所収されている竹内比呂也「大学紀要というメディア : 限りなく透明に近いグレイ?」もおもしろい.「紀要が学会誌や専門誌に取って代わられることなく継続して刊行されている理由」って.

ワタクシ的には,かつては商業ベースに乗っていたが,現在ではすでにその流通から外れている「古書」は十分すぎるほど “灰色文献” 化している.電子化されていなくて,しかも現物が国内には所蔵されておらず,結果的にアクセスがほぼ不能な「古書」は山ほどある.