小俣ラポー日登美(編著)
(2025年3月31日刊行、ナカニシヤ出版、京都, viii+271 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-7795-1865-2 → 版元ページ)
【目次】
まえがき ── それはどこの交差点だったのか(小俣ラポー日登美) i
序章 すれちがうたくさんの「事実」(小俣ラポー日登美) 1
1 ポスト真実──「事実」をめぐる危機 42 ノーベル財団と科学の「真実」 6
3 「原住民の科学」の問題 8
4 相対主義の足跡 10
5 ソーカル事件、もしくは「サイエンス・ウォーズ」 14
6 「事実」をめぐる対話の齟齬としてのソーカル事件 18
7 「事実」の複数の位相──ラトゥールの反省 22
8 「オッカムの剃刀」にあらがう 25
9 二重盲検と相対主義──「自分を疑う」という誠実さのために 30
10 「事実」をどう表し、伝えるのか?──言葉と数のはざまで紡がれるしりとり 33
11 本書の各章の構成と内容 35
12 比較できないものを比較する── Commentary に反映された対話の軌跡 45
第1章 どのように事実を構築するのか? ── 歴史家の仕事(ジャン=フレデリック・ショーブ[小俣ラポー日登美訳]) 53
1 はじめに──歴史と過去 532 歴史学は西洋化の道具なのか 55
3 地球規模での曖昧さの解消 57
4 すべての社会的集団の歴史は可能か? 59
5 残存する痕跡、多言語的視点、実証された方法論 62
6 いかなる社会の歴史であっても誰もが記述しうるのか? 64
7 結論 68
◇Commentary 1 ── 歴史学者より(小俣ラポー日登美) 72
第2章 奇跡と科学的事実の攻防戦 ──トリノ聖骸布をめぐる実験の解体(小俣ラポー日登美) 75
1 「史的事実」を求めるための実験 762 聖遺物とは──過去の遺物をめぐる真偽の攻防史 78
3 見えないものが、見える。見えるけれど、見せない。見えないから、見たい。 81
4 聖骸布の「事実」を実験する科学研究の類型とその発展小史 87
5 奇跡・科学・教会──事実をめぐる三つ巴 94
6 科学研究の背景とその行先 99
7 「あなたはこの問題に答えられますか?」──結語にかえて 102
◇Commentary 2 ── 動物行動学者より(佐藤駿) 107
第3章 生き物の「こころ」は科学的事実になりうるか ── 動物行動学における科学論争の解剖(佐藤駿) 109
1 動物心理学と行動生態学の「こころ」の科学史 1132 現代行動科学における動物の「こころ」 121
3 動物の「こころ」を科学はどのように扱うべきなのか 132
◇Commentary 3 ── 生物進化学者より(三中信宏) 138
第4章 歴史と科学をつなぐ道 ── アブダクションの観点から(三中信宏) 141
1 はじめに──事実と虚構のはざまで 1412 既知から未知への跳躍──アブダクションの視点 144
3 部分から全体へ、痕跡から物語へ 148
4 ダイアグラムによる可視化──ヴィジュアル・リテラシーを身に付ける 155
5 おわりに──アウェイな科学を訪ね歩く旅路とは 163
◇Commentary 4 ── 惑星物質科学者より(松本徹) 169
第5章 可視化から事実化へ ── 地球外物質のミクロな世界(松本徹) 171
1 実験室の片隅から──研究の入り口としての「見る」行為 1722 人間と宇宙物質との関わり 176
3 リュウグウの砂の姿を言語化する 178
4 数値化される鉱物たち 184
5 地球外鉱物の成り立ちを理解する 188
6 宇宙探査の行く末と鉱物学 195
◇Commentary 5 ── 情報科学者より(包含) 201
第6章 人工知能が紡ぎ出す「事実」の権力性(包含) 203
1 「事実」を産出する機械 2042 「事実」と価値観の対立 211
3 「事実」の権力性の彼方に 222
◇Commentary 6 ── 歴史学者より(小俣ラポー日登美) 230
終章 めぐりあうたくさんの「事実」(小俣ラポー日登美) 233
1 つながる「事実」 2332 日本における文理の溝の成立小史 235
3 「二つの文化」の成立 239
4 社会からの要請としての有用性と学問の分断 242
5 科学的真実と道徳的真実──社会生物学論争再考 246
6 「役に立たない」研究が存在意義を追求するとき──「原住民の科学」の問題ふたたび 249
7 事実の統合・比較・連関──最後に相対化されるのは何か 253
あとがきという名の謝辞(小俣ラポー日登美) 261
編著者紹介 270

本書の出版記念イベントとして、下記のシンポジウムを京都大学で開催します:

【題名】シンポジウム〈「事実」の交差点——科学的対話を生む文脈を探して〉
【日時】2025年3月8日(土)13:30〜17:30
【場所】京都大学国際科学イノベーション棟(5F シンポジウムホール)、
京都大学吉田キャンパス
※シンポジウム参加登録サイト https://forms.gle/dAn9oyN8v2XLm35A7