2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『幻の時刻表』曽田英夫

(2005年1月20日刊行,光文社新書190,isbn:4334032907) 第3章まで読了.200ページほど.国内の廃線がらみの話題は他の本でも読めるが,第1章(幻の「東京発パリ行き」時刻表)など戦前の日本の旧領土を走っていた鉄道に関する話はおもしろい.“廃線本”と…

『虹の解体:いかにして科学は驚異への扉を開いたか』リチャード・ドーキンス

(2001年3月31日刊行,早川書房,isbn:4152083417) 【書評】※Copyright 2001 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved科学が「解きほぐした虹」は詩を語り好奇心を育む『利己的遺伝子』,『延長された表現型』,『ブラインド・ウォッチメーカー』など進化…

『博物学のロマンス』リン・L・メリル

(2004年12月10日刊行,国文社,isbn:4772005072) 本書第4章(pp. 122-168)を読了.19世紀における科学と文学との乖離(C. P. スノウの言う〈ふたつの文化〉の相克)を論じる.この著者はへんにまわりくどい言い方をしないで,すぱっと言うのが小気味よい…

『シェークスピアは誰ですか?:計量文献学の世界』村上征勝

(2004年10月20日刊行,文春新書406,isbn:4166604066) 計量文献学での祖本構築が,系統推定ではなく,クラスタリングによろめいてしまうというのはよくある症状だ.

『幻の時刻表』曽田英夫

(2005年1月20日刊行,光文社新書190,isbn:4334032907) 廃線と時刻表の本.

『観覧車物語:110年の歴史をめぐる』福井優子

(2005年1月刊行,平凡社,isbn:4582832512) 観覧車の歴史的写真がたくさん載っているそうな.

『The R Tips:データ解析環境 R の基本技・グラフィックス活用集』舟尾暢男

(2005年2月刊行予定) この近刊の詳細についてはまだ情報ありません.→参考:舟尾暢男サイト

『珍説愚説辞典』

J・C・カリエール&G・ベシュテル[高遠弘美訳] (2003年9月26日刊行,国書刊行会,東京,750pp., ISBN:4336045211) よくぞここまで「珍説・愚説」を収集したものだと感心する.たとえば,1913年5月29日にパリで初演されたストラビンスキーのバレエ音楽…

『ネットワーク社会の深層構造:「薄口」の人間関係へ』江下雅之

(2000年1月15日刊行,中公新書1516,isbn:4121015169) 【書評】※Copyright 2005 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved メーリングリストやネット掲示板の管理運営者は,ネット上でのトラブルに対処する“秘伝のワザ”を各自が経験的に培ってきていると思…

『博物学のロマンス』リン・L・メリル

(2004年12月10日刊行,国文社,isbn:4772005072) 「博物学は科学であってはならない」というのが著者のモットーらしい.「批評家や歴史家はふつう博物学を科学の項目に入れてしまうが,これは不幸なことである.博物学を科学として扱い,博物学が現代的に…

『Grundlagen der Phylogenetischen Systematik, Zweite Auflage』Johann-Wolfgang Wägele

(2001年刊行,Verlag Dr. Friedlich Pfeil,isbn:3931516938) 詳細目次←dagboek ぼくが想像した以上に,“モダン”な内容の系統体系学の教科書にしあがっているようだ.伝統的な Willi Hennig 流の系統学をベースにしているのだが,近年の分子系統学の最先端…

『古生物の形態と解析』棚部一成・森啓(編)

(1999年11月30日刊行,朝倉書店,isbn:4254166427) ※2005年上半期に第2刷が出ます.紹介(← dagboek) 【目次】「古生物の科学」の出版にあたって(速水格, pp.i-ii)序 (棚部一成, p.iii) 1.相同性とは何か−発生と進化とを結びつける形態学的認識(…

『Unto Others : The Evolution and Psychology of Unselfish Behavior』E. Sober & D.S. Wilson

(1998年刊行,Harvard University Press, isbn:0674930460) 目次(← dagboek) 【書評】※Copyright 2005 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 現代の群淘汰説(複数レベル淘汰説)の強力な推進者である David Sloan Wilson が、生物学哲学者である El…

『ダーウィン文化論:科学としてのミーム』ロバート・アンジェ編

(2004年9月7日刊行,産業図書,isbn:4782801491) 紹介(← dagboek) 【目次】日本語版への序文 1序文(ダニエル・デネット) 3執筆者一覧 7謝辞 13第1章:序論(ロバート・アンジェ) 1第2章:ミームの視点(スーザン・ブラックモア) 29第3章:ミーム…

『「進化」大全 −− ダーウィン思想:史上最大の科学革命』

カール・ジンマー[渡辺政隆訳] (2004年11月25日刊行,光文社,isbn:4334961738) 【紹介】※Copyright 2005 by MINAKA Nobuhiro. All rights reservedあの光文社がこんな本をと一部で騒がれた?形跡がある.しかし,この500ページを越すフルカラーの進化学…

『二列目の人生:隠れた異才たち』池内紀

(2003年4月30日刊行,晶文社,isbn:4794965664) ※これまた遅ればせ.同年9月5日の第8刷.よく売れたみたいですね.とりあえず,「中尾佐助」の節(pp. 188-199)を先に読んでしまう.

『書物の未来へ』富山太佳夫

(2003年10月20日刊行,青土社,isbn:479176062X) ※漏れ落ちの遅ればせでした.

『「読者」の誕生:活字文化はどのようにして定着したか』香内三郎

(2004年12月10日刊行,晶文社,isbn:4794966407) ※2段組で500ページ超とは.シンプルに重いんですけど.

「本を読むということ」

行く先々で知り合いに会うたびに「よくあれほど本を読めますね」と言われることがある.でもヘビーな読書家と呼ばれる人は世の中にたくさんいるわけで,本を読むことそれ自体に何かしらの価値を置く必要はないと思う.どのようなジャンルの本であるかによっ…

『ダーウィン文化論:科学としてのミーム』ロバート・アンジェ編

(2004年9月7日刊行,産業図書,isbn:4782801491) いわゆる「ミーム本」の多くが“讃美者”の手になるものであるのに対して,本書は〈文化遺伝子〉としての〈ミーム〉がはたして何らかの科学的論議の対象となりえるのかどうかという編者(ならびに執筆者[の…

『飯島耕一・詩と散文・第2巻』

(2001年2月1日刊行,みすず書房,isbn:4622047322). う〜ん,シュールレアリズム詩に格段の関心があるわけではないんだけど,いくら新古書店で売れないからといって,定価「3,500円」をたった「300円」で叩き売ることはないんじゃないの?(それで買えた…

『固有名よみかた辞典』(オンライン)日外アソシエーツ

日外アソシエーツが〈レファレンス・クラブ〉を公開.オンラインの難読語辞典(「固有名よみかた辞典」)が無料で使えるようになった.「なまえ」に関するリンクがリストアップされている.

『Annual Review of Ecology, Evolution, and Systematics, Volume 35』

(2004年,Annual Reviews,isbn:0824314352) 昨年から誌名(書名)に“Evolution”が付け加わり,厚さがさらに増した.700ページ超.おもしろそうなのは,まず【種】の操作的判定基準を論じた J. W. Sites, Jr. & J. C. Marshall「Operational criteria for …

富山太佳夫・青土社本あれこれ

来週早々にも届くはずの『書物の未来へ』(2003年10月10日刊行,青土社,isbn:479176062X) がやってくる前に,富山太佳夫の青土社本の蔵書チェック 富山太佳夫『シャーロック・ホームズの世紀末』 (1993年11月15日刊行,青土社,isbn:4791752732) 富山太…

『「進化」大全 ダーウィン思想:史上最大の科学革命』

カール・ジンマー[渡辺政隆訳] (2004年11月25日刊行,光文社,isbn:4334961738) 日経サイエンス編集部から書評依頼あり.来月はじめに原稿を送ることになった.ということは,新年度始めの4月号あたりに掲載されるかも.

『新聞社会事業と人物評論:大正・昭和の風俗批評と社会探訪[村嶋歸之著作選集第5巻]』津金澤聰廣・土屋礼子(編)

(2005年1月25日刊行,柏書房,isbn:4760126163) 今回がシリーズ最終配本か.そのうちまとめて買ってしまおう(古書店でね).このジャンルの本はまたいで通るわけにはいかないのだ.高校時代に読んだ横山源之助『日本の下層社会』(岩波文庫)の記憶がまだ…

『バリ島芸術をつくった男:ヴァルター・シュピースの魔術的人生』伊藤俊治

(2002年1月23日刊行,平凡社新書126,isbn:4582851266) 200ページあまりの新書.先日書評を書いた坂野徳隆『バリ,夢の景色:ヴァルター・シュピース伝』(2004年12月3日刊行,文遊社,isbn:4892570435)の「復習本」として読むつもりだったのだが,意外に…

『変異するダーウィニズム:進化論と社会』

阪上孝(編) (2003年11月1日刊行,京都大学学術出版会,ISBN:4876986215) 書評(← dagboek) 【書評】※Copyright 2003 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 〈黒船〉がやってきた! 覗き穴から見たダーウィニズムの上陸 チャールズ・ダーウィンの没…

『サルの生涯,ヒトの生涯:人生計画の生物学』D・スプレイグ

(2004年5月15日刊行,京都大学学術出版会,isbn:4876983135) 200ページほどの本.はっきり言ってフェイントかまされました.ソフトな語り口にダマクラかされて,人生の「大問題」(〈あなたは「人生の駆け引きに勝ちましたか?〉そして〈あなたの人生に悔…

『動物進化形態学』

倉谷滋 (2004年1月8日刊行,東京大学出版会[Natural History Series],東京, viii+611 pp., 本体価格7,200円, ISBN:4130601830 → 版元ページ) 書評 【書評】 ※Copyright 2005 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved まず「森」を見よう,「木」を見る…