「Predatory academic open-access journal の脅威はさらに増す」

サイエンス誌科学コミュニケーション特集号 —— Science / AAAS | Special Issue | Communication in Science: Pressures and Predators | 04 October 2013.この特集に掲載された記事:John Bohannon | Who's Afraid of Peer Review? | Science 4 October 20…

「雑誌が買えなくなりました(orz)」

農環研の次年度購入雑誌に関するアンケートを観音台に返信した.現状の財政を考えると,Springer, Elsevier, Wiley という大手寡占出版社のパッケージ雑誌をこれまでどおり購入すると,個別購読雑誌にまわす予算がほとんどなくなるらしい.これら大手の雑誌…

「浜の真砂は尽きるとも世にスパム出版は尽きまじ」

スパム出版関連記事ふたつ: japapipupepon「Wikipediaのコピペ本がAmazonで販売されている&日本全国の大学図書館に所蔵されている」(2013年5月6日)※スパム出版社として「Book on Demand Ltd」など多くの名前が.よくよく用心しないと,図書館がうっかり…

「日本において「学術書の危機」、いわゆるモノグラフ・クライシスは学生の貧困化とともに現れる」

OUT TO LUNCH(2013年7月14日) → http://hrk32535.tumblr.com/post/55399787846 抜粋いくつか: 「北米の学術書を買い支えていたいのは、日本とはくらべものにならないほど資金が潤沢な大学図書館なのであった。あるレポートによれば80年代は学術書刊行部数…

「新書ブーム余波 教養書の仕切り直し? 「選書」相次ぐ創刊 岩波も」

MSN産経ニュース(2013年6月24日) → http://sankei.jp.msn.com/life/news/130624/bks13062407430000-n1.htm 「選書創刊が相次いでいるのは、新書戦争で崩壊した教養書の仕切り直し」.新書を何冊か出した書き手の立場から言えば,「新書」として書いたので…

「“罵倒系”書評の傾向と対策」

本の書き手であるワタクシにとって「書評頻度分布」の平均と分散こそ第一義的に重要であり,個々の書評はその背景のもとで初めて意味をもつ.書評頻度分布の全体的特性が “罵倒系” だったなら,よほどひどい本を書いてしまったと反省して出家するしかない.…

「古書店:社長失踪40万冊倉庫に放置 貸手JA困惑 広島」

毎日新聞・2013年6月8日記事 → http://sp.mainichi.jp/m/news.html?cid=20130608k0000e040136000c [上記記事] 古書店が舞台の小説やドラマが人気を呼び、古本に改めて注目が集まる中、倉庫に放置された約40万冊の古本を前に、広島県三原市のJA三原が頭…

「 “書評頻度分布” はココロの安らぎを保証する」

ワタクシが書いた本へのさまざまな書評や感想を並べてみると,必ず一つや二つは「ヘンなの(outlier)」が混じっている(とくにオンライン匿名書評には).書評頻度分布におけるそういう「outlier」は無視することにしている.単なる「外れ値」に思い悩むの…

『月刊みすず(no. 611:2013年1-2月合併号)』

(2013年2月1日発行,みすず書房,東京,本体価格300円 → 版元ページ) 今回は下記の5冊を選んだ(pp.46-47): 【書名】絵はがきの別府:古城俊秀コレクションより 【著者】松田法子著・古城俊秀監修 【刊行】2012年5月30日 【出版】左右社,東京 【ISBN】9…

「NAVERまとめ:新潮社の校閲すごいっ!校閲のプロの仕事っぷりが話題」

→ http://matome.naver.jp/odai/2136766411643129901 出版社の「校閲部」は論文査読者と同格だと思う.講談社現代新書を書いていたときも,担当編集者から「では,校閲にまわしますね」と言われるたびに震え上がったものだ.生年月日とか歴史的年代のチェッ…

「「読者」とは誰か」

昨日の昼休み,砂だらけになって読み歩いた結城浩『数学文章作法・基礎編』(2013年4月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫・ユ-4-1],東京,193 pp., ISBN:9784480095251 → 版元ページ)のタイトルは,「作法(さほう)」ではなく「作法(さくほう)」と読…

「日録十周年」

ワタクシの「日録の書庫」を見ると,日録を公開し始めたのはちょうど10年前の「2003年4月24日」だ.ということは,その前日4月23日に diary.html を書きだしたことになる.十年間よく続きました.最初に「「思い立ったが吉日」というのはウソですな.まさに…

「Predatory academic open-access journal の脅威」

Slashdot「急増する「偽学術誌」」(2013年4月13日).いわく:「偽学術誌と思われる出版物の一覧……このリストを作り始めた 2010 年には 20 誌程だったが、現在では 4000 誌以上にまで膨らんだ」.うわ.元記事:motherboard | Scientists Are Struggling to…

「ISBNコードを付与できる出版物について」

日本図書コード管理センター → http://www.isbn-center.jp/rule/ この記事に載っている「ISBN を付けられないもの」の例として「楽譜印刷物」が挙げられている.前々からこれがとてもフシギだった.総譜の類は通常の出版物ではないので,専門の楽譜店に出向…

「外国語に無知であることへの許し」

先日届いたロシア人著者による英語の体系学書:Boris P. Zakharov『Nomosystematics: A Closer Look at the Theoretical Foundation of Biological Classification』(2013年刊行,Siri Scientific Press, Manchester, 176 pp., ISBN:9780957453005 [pbk] → …

「“スパム出版”ふたたび」

アマゾンの近刊検索をしていたら,明らかに “スパム出版” なタイトルがぞろぞろヒットして無力感に打ちひしがれている.ふつう考えて,「systematics」とか「phylogenetics」のタイトル検索で何千点もあるはずないやろ.『Development of Phylogenetic Tree …

『月刊みすず(no. 611:2013年1-2月合併号)』を読む

(2013年2月1日発行,みすず書房,東京,本体価格300円 → 版元ページ) 『月刊みすず』最新号「読書アンケート特集」(2013年1-2月号・no. 611)を読みきった.加藤尚武が因果性をめぐる科学哲学についてソーバーやパール,ハッキングを挙げている(p. 96)…

〈読んでから引用しろ!〉

「われわれの研究によれば引用者のうち引用元をちゃんと読んだのはたった20%だ」:M. V. Simkin and V. P. Roychowdhury 2003. Read before you cite!. Complex Systems, 14: 269–274 → pdf.もうひとつ:「おまいら,マジで引用されたいのか?」:M. V. Si…

『月刊みすず』「読書アンケート」用セレクション5冊+次点10冊

毎年恒例となったみすず書房の『月刊みすず』の年頭「読書アンケート」特集.年末に選定を進めたが,2012年度の「書評本」計5冊は下記の通りに決まった:昨年は,「系統樹」の図像を分野横断的に総覧した『系統樹曼荼羅』と系統樹思考の学際的な広がりを見渡…

「論文を頭から読むのは「書く側に回らない人」という見方」

→ Togetter - http://togetter.com/li/418342 同じ研究業界の「なかのひと」だったらショートカット読みしてもきっとだいじょうぶなんだろうなあ.ワタクシの仕事柄,単発の論文ではなく,まとまった量の「本」を読む機会が多い.研究者諸氏が研究上関係のあ…

「研究者コミュニティの「限界集落」化について(続)」

前記事「研究者コミュニティの「限界集落」化について」の続き:大学や研究機関に余裕があった時代は,研究環境にも「フトコロの深さ」や「大きなのりしろ」があったが,今ではそういう “遊び” の部分がどんどん削られている.すべて白日のもとにさらされて…

「研究者コミュニティの「限界集落」化について」

先日の所内領域会議でも話題に出たことだが,来たるべき(と思うけど)独法再編にともなって,農水省系の独法研究所がどういうふうになるのかの具体的なプランは「何もない」のが現状らしい.「上」の方でミーティングはやっているようだが.シミュレーショ…

『パブリッシャーズ・レビュー』

→ 白水社 http://www.hakusuisha.co.jp/review/ → みすず書房 http://www.msz.co.jp/news/misuzu/publishers_review.html → 東京大学出版会 http://www.utp.or.jp/topics/publishers_review/ 上の三社が出している出版情報誌.

『中公新書総解説目録1962〜2012』

中央公論新社(編) (2012年10月25日発行,中央公論新社,東京,448 pp., 非売品)たまたまイーアスのアカデミア書店で一冊ゲットできた.

「書名談義」

タイトルにだまくらかされてはいけません —— 『〜入門』とか『〜概論』という書名はとりわけ誤解されやすいかも.本のタイトルには『〜入門』と書かれているのに,「ぜんぜん入門書とちゃうやんか」という苦い経験は一度や二度ではない.『〜入門』とは,「…

「切ってはいけない」

「脚注・文献・索引」の三点セットを省略するという日本の翻訳業界の「悪弊」は,前から糾弾しているんだけどなかなか根絶できない.三点セットを省略することは,訳本の「価格」を下げはしても,訳本の資料的な「価値」を下げる行為だから.価格か価値かと…

「深いフトコロが埋め立てられると」

つい先日のことだが,とある出版社から「統計本を一冊書きませんか」とのオファーが提示された.しかし,このところのドロナワな状況を考えると,さすがにムリなので,「ごめんなさい」メールを返信.短期的に出せるアイデア量に上限があるように,近未来的…

「論文の注について」

→『歴史学研究会月報』 http://rekiken.jp/journal/ronbun_no_chu.pdf 『歴史学研究会月報』の連載記事「論文の注について」(全11回)がpdfとして公開された.一読したが,欧文・和文の注の書き方,とりわけ文献の引用形式についてのまとめが役に立ちそう.…

〈leeswijzer〉のアクセスがなんと「200万台」に!

「2012年4月21日」の深夜のこと,〈leeswijzer〉のアクセス数が二百万アクセスを越えた.過去のアクセス記録を見ると,「2005年1月9日」に開設してから「2009年11月4日」に百万アクセスに達するまでが4年10ヶ月,それから今回の二百万アクセスの大台に乗るま…

「俺たちに本を書く時間はない」

かつて,とある本の原稿を依頼され,例によって進捗が滞っていたら,「夏休みか冬休みの時間のあるときにまとめて書いてください」と言われた.大学ならまだしも独法研究所にもそんな「休み」があると世間では考えられているのかと愕然とした.大学の「夏休…