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『在野研究ビギナーズ:勝手にはじめる研究生活』読売新聞書評

荒木優太(編著)(2019年9月1日刊行,明石書店,東京, 286 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-7503-4885-8 → 目次|版元ページ|特設ページ)読売新聞の小評が公開された:三中信宏「在野研究ビギナーズ 勝手にはじめる研究生活…荒木優太編著」(2019年12月1日掲載|2019年12月9日公開) 研究者といえば、大学や研究機関などに所属し、“職業研究者”として給料をもらっていると思われがちだ。しかし、本書の「在野研究者」とは、他の仕事によっ…

『大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件:なぜ美しい羽は狙われたのか』読売新聞書評

カーク・ウォレス・ジョンソン[矢野真千子訳] (2019年8月10日刊行,化学同人,京都, 381 pp., 本体価格2,800円, ISBN:9784759820133 → 目次|版元ページ)読売新聞大評が紙面掲載された:三中信宏「盗まれた羽根の行方 —— 大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件…カーク・ウォレス・ジョンソン著 化学同人 2800円」(2019年11月17日掲載|2019年11月25日公開). 盗まれた羽根の行方 本書は稀有の盗難事件を取り上げたノンフィクション…

『生きもの民俗誌』読売新聞書評

野本寛一 (2019年7月30日刊行,昭和堂,京都, xviii+666+xxiii pp., 本体価格6,500円, ISBN:9784812218235 → 目次|版元ページ)読売新聞大評が公開されました:三中信宏「膨大な動物伝承に光 —— 生きもの民俗誌…野本寛一著」(2019年11月3日掲載|2019年11月11日公開) 膨大な動物伝承に光 評者は第2次世界大戦中に長野で出版された柳田國男・倉田一郎著『分類山村語彙』(信濃教育會、1941年)という民俗学の語彙集を手に…

『小檜山賢二写真集 TOBIKERA』読売新聞書評

小檜山賢二 (2019年7月19日刊行,クレヴィス,東京, 127 pp., 本体価格4,500円, ISBN:9784909532299 → 版元ページ)読売新聞ヴィジュアル評が公開された:三中信宏「小檜山賢二 写真集「TOBIKERA」 」(2019年10月20日掲載|2019年10月30日公開) 真っ黒な表紙に『TOBIKERA』とだけ書かれた書名を見てもほとんどの読者には何のことだかわからないだろう。しかし、あえて先入観なしに、美麗な深度合成カラー写真の数々を鑑賞する…

『書店本事:台湾書店主43のストーリー』読売新聞書評

郭怡青(文)・欣蒂小姐(絵)・侯季然(映像)[小島あつ子・黒木夏兒訳] (2019年6月27日刊行,サウザンブックス,東京, 432 pp., 本体価格2,600円, ISBN:9784909125125 → 目次|版元ページ|映像リスト《書店裡的影像詩Ⅰ-日文字幕版》 [YouTube])読売新聞大評が公開された:三中信宏「台湾の書店をめぐる旅 —— 書店本事 台湾書店主43のストーリー…文/郭怡青、絵/欣蒂小姐 サウザンブックス 2600円」(2019年10月13日掲載|…

『モービー・ダック』読売新聞書評

ドノヴァン・ホーン[村上光彦・横濱一樹訳] (2019年7月15日刊行,こぶし書房,東京, 654 pp., 本体価格2,800円, ISBN:9784875593515 → 目次|版元ページ) https://leeswijzer.hatenadiary.com/entry/2019/09/27/051740 読売新聞大評が公開された:三中信宏「アヒルちゃんの大冒険 —— モービー・ダック ドノヴァン・ホーン著 こぶし書房 2800円」(2019年9月29日掲載|2019年…

『生命の歴史は繰り返すのか?:進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む』読売新聞書評

ジョナサン・B・ロソス[的場知之訳] (2019年6月15日刊行,化学同人,京都, xvi+382 pp., 本体価格2,800円, ISBN:9784759820072 → 目次|版元ページ)読売新聞大評が公開された:三中信宏「生命の歴史は繰り返すのか? ジョナサン・B・ロソス著 化学同人」(2019年9月15日掲載|2019年9月24日公開) 生物進化は実験できる 本書の読後感は「生物進化ってこんなに実験できるんだ」という素朴な驚きである。もちろん、歴史としての進化は唯一…

『海外で研究者になる:就活と仕事事情』読売新聞書評

増田直紀 (2019年6月25日刊行,中央公論新社[中公新書・2549],東京, x+253 pp., 本体価格880円, ISBN:9784121025494 → 目次|版元ページ)読売新聞小評の鍵がはずれて公開された:三中信宏「海外で研究者になる 増田直紀著」(2019年9月8日掲載|2019年9月17日公開) 現在の日本では、政府が十分な資金を提供しないせいで、若手研究者が国内の大学や研究機関で安定した職を得ることがほんとうに難しくなってしまった。ポスドクの常勤職であっ…

『日本発酵紀行』読売新聞書評と元原稿

小倉ヒラク (2019年6月10日刊行,D&DEPARTMENT PROJECT, 東京, 217 pp., 本体価格1,800円, ISBN:97849030973 → 目次|版元ページ|著者サイト)読売新聞ヴィジュアル評の鍵がはずれて公開された:三中信宏「小倉ヒラク著「日本発酵紀行」」(2019年8月25日掲載|2019年9月2日公開) 東西南北に延びる日本列島のさまざまな自然環境が食生活や食文化にも反映される。発酵食品といえば、味噌・醤油・酢、漬物や納豆や魚醤、酒まで含…

『鐘の本:ヨーロッパの音と祈りの民俗誌』読売新聞書評と備忘メモ

パウル・ザルトーリ[吉田孝夫訳] (2019年5月1日刊行,八坂書房,東京, 454+x pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-89694-261-3 → 目次|版元ページ)読売新聞小評が公開された:三中信宏「鐘の本 ヨーロッパの音と祈りの民俗誌…パウル・ザルトーリ著」(2019年8月18日掲載|2019年8月26日公開) 日本では、近在の寺から朝夕に鳴る時の鐘や大晦日の除夜の鐘を耳にする。ドイツの古い街を歩けば、教会の鐘楼から鐘の音が四方に響きわたる。二つ…

『〈島〉の科学者:パラオ熱帯生物研究所と帝国日本の南洋研究』読売新聞書評と備忘メモ

坂野徹 (2019年6月20日刊行,勁草書房,東京, viii+356+30 pp., 本体価格4,700円, ISBN:9784326102747 → 目次|版元ページ)読売新聞大評が一般公開された:三中信宏「はるかなる南洋の島々 ——〈島〉の科学者…坂野徹著」(2019年8月4日掲載|2019年8月13日公開) はるかなる南洋の島々 20世紀前半、両世界大戦にはさまれた時代の日本は北太平洋の島々にその版図を急速に拡げていった。はるかなる南洋へと旅立った多くの日本人の中には…

『イメージ学の現在:ヴァールブルクから神経系イメージ学へ』読売新聞書評と備忘メモ

坂本泰宏・田中純・竹峰義和(編) (2019年4月26日刊行,東京大学出版会,東京, iv+542+xv pp., 本体価格8,400円, ISBN:9784130101400 → 目次|版元ページ)読売新聞大評記事が紙面公開された:三中信宏「図像からみた知の根源 —— イメージ学の現在…坂本泰宏、田中純、竹峰義和編」(2019年7月28日掲載|2019年8月5日公開) 図像からみた知の根源 本論文集は、2016年に東京大学駒場キャンパスで開催された「イメージ学(ビルトヴィッ…

『日本のイネ品種考:木簡からDNAまで』読売新聞書評

佐藤洋一郎(編) (2019年4月30日刊行,臨川書店,京都, 2 color plates + 260 pp., 本体価格4,500円, ISBN:9784653044147 → 目次|版元ページ)読売新聞小評が公開された:三中信宏「日本のイネ品種考…佐藤洋一郎編」 日本人にとって「イネ」は日々の食生活の根幹となる作物である。本書は日本におけるさまざまなイネの品種がどのような歴史をたどってきたのかを考察する論集だ。 イネが根から吸収した珪酸が石化した微細な「プラント・オパー…

『心理学の7つの大罪:真の科学であるために私たちがすべきこと』読売新聞書評

クリス・チェインバーズ[大塚紳一郎訳] (2019年4月1日刊行,みすず書房,東京, vi+330+xl pp., 本体価格4,400円, ISBN:9784622087885 → 目次|版元ページ)読売新聞大評が一般公開された:「統計学の原罪と救済 — 心理学の7つの大罪…クリス・チェインバーズ著 The Seven Deadly Sins of Psychology」(2019年7月14日掲載|2019年7月22日公開) 統計学の原罪と救済 統計データ解析の界隈では、数年…

『書物の破壊の世界史:シュメールの粘土板からデジタル時代まで』読売新聞書評

フェルナンド・バエス[八重樫克彦・八重樫由貴子訳] (2019年3月22日刊行,紀伊國屋書店,東京, 739 pp., 本体価格3,500円, ISBN:9784314011662 → 目次|版元ページ)読売新聞大評が一般公開された:「古今東西 書物受難史——書物の破壊の世界史…フェルナンド・バエス著」(2019年6月30日) 古今東西 書物受難史 私のいる研究室には古書がうずたかく積み上がっていて、ときどき銀色に輝く紙魚がちょろちょろ這い出てくる。本の紙や糊をかじってしまう…

『ネコ・かわいい殺し屋:生態系への影響を科学する』『奄美のノネコ:猫の問いかけ』読売新聞書評

ピーター・P・マラ,クリス・サンテラ[岡奈理子・山田文雄・塩野﨑和美・石井信夫訳]『ネコ・かわいい殺し屋:生態系への影響を科学する』 (2019年4月22日刊行,築地書館,東京, 287 pp., 本体価格2,400円, ISBN:9784806715801 → 目次|版元ページ) 鹿児島大学鹿児島環境学研究会(編著)『奄美のノネコ:猫の問いかけ』(2019年3月31日刊行,南方新社,鹿児島, 282 pp., 本体価格2,000円, ISBN:9784861244001 →…

『遺伝子・多様性・循環の科学:生態学の領域融合へ』読売新聞書評

門脇浩明・立木佑弥(編) (2019年2月28日刊行,京都大学学術出版会,京都, 8 color plates + 432 pp., 本体価格3,700円, ISBN:9784814001903 → 目次|版元ページ)読売新聞小評が公開されました:三中信宏「遺伝子・多様性・循環の科学…門脇浩明、立木佑弥編」(2019年6月2日). 生態学は、個々の生物に関するミクロな生態研究から、物理的環境まで含む生態系のマクロな動態にいたるまで、さまざまな研究分野から構成されている。過去の…

『漢字の字形:甲骨文字から篆書、楷書へ』読売新聞書評

落合淳思 (2019年3月25日刊行,中央公論新社[中公新書・2534],東京, viii+207 pp., ISBN:9784121025340 → 目次|版元ページ)読売新聞大評が公開されました:三中信宏「進化する漢字の系譜 —— 漢字の字形…落合淳思著 中公新書 800円」(2019年5月19日). 進化する漢字の系譜 世界中には数千もの言語があり、それらを書き記す文字システムにもまたアルファベットや漢字仮名やハングルをはじめとして数多くの種類がある。その中でも漢字とい…

『発酵食の歴史』読売新聞書評

マリ=クレール・フレデリック[吉田春美訳] (2019年2月27日刊行,原書房,東京, 341 pp., 本体価格3,500円, ISBN:9784562056330 → 目次|版元ページ)読売新聞大評が公開されました:三中信宏「三中信宏「人間の生存支える — 発酵食の歴史 NICRU,NICUIT…マリー=クレール・フレデリック著」」(2019年5月5日). 人間の生存支える 細菌や菌類などの微生物の作用によってつくられる発酵食は日本の日々の食卓でもおなじみだ。和食ならば味…

『写真でつづる アマミノクロウサギの暮らしぶり』読売新聞書評

勝廣光 (2019年3月1日刊行,南方新社,鹿児島, 108 pp., 本体価格1,800円, ISBN:9784861243929 → 目次|版元ページ)読売新聞大評出ました:三中信宏「写真でつづる アマミノクロウサギの暮らしぶり…勝廣光著 南方新社 1800円」(2019年4月28日). 夜行性の生態 如実に 琉球列島の奄美大島と徳之島にのみ分布する国の特別天然記念物アマミノクロウサギが本書の主役だ。山奥に棲み、もともと個体数が少なく、しかも夜行性であるために、この原始的…

『ブルキナファソを喰う:アフリカ人類学者の西アフリカ「食」のガイド・ブック』読売新聞書評

清水貴夫 (2019年2月1日刊行,あいり出版[地球のナラティブ],京都, 8 color plates + 282 pp., 本体価格1,800円, ISBN:9784865550665 → 目次|版元ページ)読売新聞大評出ました(5月7日オープンされた):三中信宏「ブルキナファソを喰う!…清水貴夫著 あいり出版 1800円」(2019年4月21日). アフリカはおいしい 快著すぎて食欲がどうにも抑えられなくなる。西アフリカの「ブルキナファソ」と言われてもその国の位置が西海…

『フクロウの家』読売新聞書評

トニー・エンジェル[伊達淳訳] (2019年2月10日刊行,白水社,東京, 277+7 pp., 本体価格3,000円, ISBN:9784560096758 → 目次|版元ページ)読売新聞大評:三中信宏「満ちあふれる愛情 —— フクロウの家…トニー・エンジェル著 白水社 3000円」(2019年4月7日)が〈本よみうり堂〉で公開されました. 満ちあふれる愛情 さまざまな鳥たちの中でもフクロウの仲間はとりわけ「人間ぽい」顔立ちをしている。昔から擬人化されやすいフクロウたちが、…

『第一印象の科学:なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?』読売新聞書評原稿

アレクサンダー・トドロフ[中里京子訳|作田由衣子監修] (2019年1月16日刊行,みすず書房,東京, 本体価格3,800円, ISBN:9784622087625 → 目次|版元ページ)読売新聞小評:三中信宏「第一印象の科学…アレクサンダー・トドロフ著」が〈本よみうり堂〉に掲載されました(2019年3月31日).下記にワタクシの書評記事の “原稿” を公開することにします.これらの書評原稿は文化部担当者や校閲部による “査読” を経て改訂されたのち紙面に掲載されることになっ…

『科学立国の危機:失速する日本の研究力』読売新聞書評

豊田長康 (2019年2月14日刊行,東洋経済新報社,東京, 536 pp., 本体価格2,600円, ISBN:9784492223895 → 目次|版元ページ)読売新聞書評:三中信宏「人的資源の確保不可欠」(2019年3月10日)が〈本よみうり堂〉で公開されました. 人的資源の確保不可欠 著者は以前から自身のブログ<ある医療系大学長のつぼやき>を通じて、日本の科学の行く末には暗雲が垂れこめていることを数々のデータを踏まえて力説してきた。その延長線上に出版された本書は膨大な…

『動物と人間:関係史の生物学』読売新聞書評

三浦慎悟 (2018年12月5日刊行,東京大学出版会,東京, xvi+821 pp., 本体価格20,000円, ISBN:9784130602327 → 目次|版元ページ)読売新聞書評:三中信宏「分類学は生き残れるか」(2019年2月24日)が〈本よみうり堂〉で公開されました. 密接な関係を見直す 科学書でもあり同時に歴史書とも呼べる本書は2段組みで800ページ超という近年まれに見る大著だ。哺乳類学が専門である著者は、ホモ・サピエンスの黎明期から現代にいたる人類史における動…

『ナチュラルヒストリー』読売新聞書評

岩槻邦男 (2018年12月5日刊行,東京大学出版会[ナチュラルヒストリーシリーズ],東京, vi+366 pp., 本体価格4,500円, ISBN:9784130602563 → 目次|版元ページ)読売新聞書評:三中信宏「分類学は生き残れるか」(2019年2月17日)が〈本よみうり堂〉で公開されました. 分類学は生き残れるか 東京大学出版会が1993年に創刊した叢書<ナチュラルヒストリーシリーズ>は本書の刊行をもって計50冊で完結した。このシリーズは日本に分布するさまざま…

『まちづくりのエスノグラフィ』&『BEPPU PROJECT 2005–2018』読売新聞書評

早川公『まちづくりのエスノグラフィ:《つくば》を織り合わせる人類学的実践』(2018年12月7日刊行,春風社,横浜, 310+iv pp., 本体価格3,700円, ISBN:9784861106262 → 目次|版元ページ) 山出淳也『BEPPU PROJECT 2005 – 2018』(2018年10月13日刊行,NPO法人BEPPU PROJECT,別府, 345 pp., 本体価格1,500円, ISBN:9784990900502 → 目次|版元ページ) 読売新聞書…

『謎のカラスを追う:頭骨とDNAが語るカラス10万年史』読売新聞書評

中村純夫 (2018年12月6日刊行,築地書館,東京, 12 color plates + 268 pp., 本体価格2,400円, ISBN:9784806715726 → 目次|情報|版元ページ)ワタクシの読売新聞書評(2019年1月20日掲載|jpeg)が〈本よみうり堂〉にてオンライン公開された. 日本人にとって身近な都市鳥である真っ黒なハシブトガラス。著者はこのカラスとその近縁亜種の分布域を見極めるために、北海道から宗谷海峡を超えてサハリンへ渡り、さらには対岸のウスリ…

『記憶術全史:ムネモシュネの饗宴』読売新聞書評

桑木野幸司 (2018年12月10日刊行,講談社[講談社選書メチエ・689],東京, 348 pp., 本体価格2,000円, ISBN:9784065140260 → 目次|版元ページ)ワタクシの読売新聞書評(2019年1月6日付|jpeg)が〈本よみうり堂〉でオンライン公開された:三中信宏「試行錯誤の歴史を解明」(2019年1月14日).この書評記事は,ブックバンにも転載されている. 試行錯誤の歴史を解明 本書は15~17世紀の初期近代において、限りなく増え続ける知識を効…